ゴールドスミス・ノートが気になる(17)

銀行券は国王・国家と関係ない金貸しの裏長屋で印刷されはじめた

日銀のWEBサイトにこんな項目があるとは知らなかった。
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(質問)
銀行券が日本銀行のバランスシートにおいて負債に計上されているのはなぜですか?

(回答)
日本銀行は銀行券の発行を1885年に開始しました。当初、日本銀行の発行する銀行券は、銀との交換が保証された兌換銀行券でした。その後、金本位制度の採用を経て、金との交換が保証されました。こうした制度の下で、日本銀行は、銀行券の保有者からの金や銀への交換依頼にいつでも対応できるよう、銀行券発行高に相当する金や銀を準備として保有しておくことが義務付けられていました。このような銀行券は、いわば日本銀行が振り出す「債務証書」のようなものだと言えます。このため、日本銀行は、金や銀をバランスシートの資産に計上し、発行した銀行券を負債として計上しました。
その後、金や銀の保有義務は撤廃されましたが、一方で、銀行券の価値の安定については、「日本銀行の保有資産から直接導かれるものではなく、むしろ日本銀行の金融政策の適切な遂行によって確保されるべき」という考え方がとられるようになってきました。こうした意味で、銀行券は、日本銀行が信認を確保しなければならない「債務証書」のようなものであるという性格に変わりはなく、現在も負債として計上しています。
なお、海外の主な中央銀行においても、こうしたバランスシート上の取り扱いが一般的となっています。

この説明を読んでいると、『17世紀英国でゴールドスミスが金貨を預かったときに顧客に発行していた「預り証」がやがて通貨としての紙幣=銀行券となり、いつでも券面に記載されている額と同額の金貨と交換してもらえることが保証されているために、人々の信認を得てやがて通貨となっていった。』という説がそのまま日本銀行の認識として披露されていることに驚かざるを得ない。というよりも、1885年に日本の中央銀行を作った人々がそもそも英国の金融支配勢力だったのだから当り前の話なのだから、事の前後をひっくり返して説明されても困りものなのだ。
そして現在ではどこの国でも銀行券を金貨と交換することはしなくなったけれども通貨価値を維持していくために何をやっているかと言えば発行した通貨は借金として扱う、つまり負債勘定に記載して扱うことによって無謀な発行を食い止め通貨の信用を維持しているのだという。

ホンマかいな…?

まず、「預り証」が銀行券となり紙幣通貨となったというのならその証拠を見せなければならないはずだ。実のところそんな証拠はないから世界中の学会でも提示できないでいるのが実情なのではないだろうか?。17世紀のゴールドスミスで言えば100年経とうとも預り証は預り証としてキチンと発行されていただけで、譲渡性はあったものの通貨として広く流通していたなどという証拠は何もない。なぜそのようなことを世界でも日本でも金融学者といわれる人々は繰り返し言うのか…ということの方が疑問となるのだが、考えるに「預り証」ということによってその背景には実物資産である金貨があるんだよ、ということ、だから銀行券は裏付けがあって生まれて利用されてきた由緒正しきものなんだよ、ということを人々に信じてもらいたいから言いつづけているといった方が正しいと思えてくるのは何故だろう。いや、信じてもらいたいからというよりも信じ込ませたいから…と言った方が当たっている。実際問題、由緒正しき通貨であるはずの銀行券が、実はある時から国家と全く関係ないところで一部のユダヤの金貸しが裏の物置部屋で好き勝手に印刷しはじめたものだった…などという風に人々に思われたのではとても困るのである。金融という世界には通貨発行権を持っていた国王すら知らないところで始まっていた銀行券印刷の実態…というミステリーがあるわけだ。日銀としてはここのところを問題化されては非常に困るわけだ。